バケモノの花嫁【電子限定漫画付き】
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バケモノの花嫁【電子限定漫画付き】

秋久テオ

現代にも通じるテーマだと感じました

2021年12月30日
獣人もの(ヒト型限定)が好きで、絵柄が好みで、クーポンがあったので軽い気持ちで購入しましたが、予想よりも深みのある作品で、思わず色々考えさせられました。

“バケモノ”とは何か。
物語の舞台は人間にも獣にもなれない、四つ耳と呼ばれる一族たちが住む村。
因習と偏見で雁字搦めになっている排他的な世界で、閉塞感に抗い、新しい朝を、自由を求めて歩みを進める2人。
テーマは「解放」か「脱却」か。
最初は、明治維新の頃の日本を思わせるな、と感じましたが、読み返してみると、何となく現在のLGBTの人達が置かれている状況にも似ているな、と思ってしまいました。
求める理想が実は既にあったことと、作者様もこだわられたという2人の表情の変化が、より良い未来への希望を持たせてくれます。
朝日のシーンがその象徴かと。
秀作だと思います。
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