ゆうづつは藍にとける
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ゆうづつは藍にとける

青井秋

書生×新人作家、文学的で美しい世界観

ネタバレ
2022年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大らかな学生・章吾×人見知りの作家・慎太郎。数年振りに世話になることになった恩師の家で、書生の章吾とも同居することになった慎太郎。ガサツで騒々しいのに、思いがけず繊細な文章を書く章吾と少しずつ打ち解けていき、やがて知らない感情が芽生えていく。モノローグも文学的で、漫画だけど小説を読んでいるような感覚。文章も世界観もしっとり美しくて清らか。慎太郎とかつての友人との蟠りや、いつも明るい章吾が抱える寂しさにぎこちなく触れ合って、派手さはないけど静かな熱が伝わってきました。一応プラトニックではないけどしっかりした描写はなし。章吾と出会って慎太郎の作風になにか変化はあったのかな。ちらっとでいいから二人の数年後を見てみたい。
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