ROUGE
」のレビュー

ROUGE

桂小町

愛を知って情緒育つ系物語、これ大好き〜

ネタバレ
2022年1月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 受けの藍ちゃんが、美人であるがゆえに辛い過去があって、でも自尊心は失ってなくて、とても魅力的。先輩の性処理係だった描写もあるので、そういうの辛い方はご注意下さい。2コ上の先輩、1コ上の先輩との高校生活を、藍ちゃんなりに必死に生き延びてきて、そのため行動も感情も歪なんだけど、攻めの長門と出会って少しずつ世界が変わっていくこの多幸感がたまらん!藍ちゃんのあまりにも危うい、暗い境遇に対して、長門という強くて真っ当な「ザ・陽の者」ヒーローを嫌味なく当ててくる作者さんの力量が素晴らしい。長門が完璧過ぎず、やや鈍いとこもあるその抜け感が絶妙なのです。

作中では、頭(トップ)とるとか派閥とかやくざとかいう単語飛び交ってますが、ゴリゴリの闘争シーンとか筋肉美とかを期待して読むお話ではないです。描かれている人物達は皆細くて耽美な雰囲気があり、三原ミツカズさんとか楠本まきさんなんかを連想する、モノトーン使いが美しい作者さんです。でも男子高校生らしい男気なんかは上手に描かれていて、私はこれくらいの不良物が読みやすくて好きです。

エチシーンは、受けの恥じらう表情と攻めの遠慮しつつもムラムラきちゃうもどかしい感じが出てて、あ〜良い良い。通常は、攻めが受けを丁寧に慣らしてあげる前 戯が大好物なのですが、こ、これは…新しい〜。こういうのもええな…こんなの可愛いしかないやん…。藍ちゃんと長門を見守ってきた読者大満足のすごくすごく良いエチをしています。100点!(作者さんの、いつも白抜きの要らないギリギリの描写を狙ってるとこも、ストレスフリーで好きです)

後半別の短編が66ページ入ってます。このお話もとても良かったのですが、できればROUGEシリーズの短編で統一して欲しかったぞ。今回シリーズ一気読みしましたが、読む順番や、収録されている短編の重複などが分かりにくいのが難点。これは、いいね数上位の方のレビューがめっちゃ参考になりました。大感謝です。
ストーリーとしては「ROUGE」で綺麗に完結してる感もあるので「ラヴィアンローズ」でダラダラしちゃわないかな?と少し心配ですが、キャラ達が魅力的で大好きなので、楽しみに読み続けたいと思います。
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