このレビューはネタバレを含みます▼
機械メーカー勤務の中川正午が、担当する下請の町工場の後継•岡崎一と恋をするお話。正午と書いてまひると読む正午は自分の名前が大嫌い。それは片想いの上司と過ごす時間であり、思い通りにならない時間であり、女みたいな名前のせいだと父親からゲイである自分を否定された名前だから。でも、工場を継いだばかりの若い一は、正午を見かけるととても嬉しそうに「まひるさん!」と呼びながら駆け寄ってくるのでした。自分の名前と予定が狂うこと、歳下の嫌いなおじさん好きの拗らせ系美人受けと、中学生の時から正午に憧れ続ける歳下ワンコ攻めが、町工場を舞台に緩やかに想いを深めてゆきます。正午の上司への憧れに嫉妬する一とのやりとりや、正午の部署異動、お互いの家族との関わりなどの日常は全て明るい真昼の光に照らされているようで、正午も次第に苦手である予測不能な歳下との恋に馴染んでゆきます。仕事はバシッとできるのに、恋愛となるといっぱいいっぱいになる二人の姿が楽しく可愛いです。