学生パパとおいしい男
」のレビュー

学生パパとおいしい男

湖水きよ/雪洞トモル

家族の形。

ネタバレ
2022年1月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 別に原作者さんがいらっしゃる作品ですが、湖水先生の作品が読みたくて購入。ファミリードラマに後からBLがついてきたような印象で、多少突っ込みたいところがありながらも、最終的には良かったと思えました。
大学生であり、パパでもある暁之は、子供達の面倒を見ながら悪戦苦闘。そこを助けてくれた強面男の鈴木太郎右衛門(893じゃありません。)
まだよく知りもしない男に、小さな子供を見てもらったり、家に上げたり居候させたりと、警戒心薄いパパだなぁと思いますが、太郎右衛門(タロ)が本当に優しい人で良かったよ…その警戒心の薄さ、危機感のなさに妻の理恵が激怒した気持ちはわかる。わかるけど、自分のしてる事は棚に上げ、よくそんな事が言えたもんだとモヤモヤしました。子供を暁之に押し付けて、自分は好き勝手な事をし放題で、どの面提げて暁之を責めるんだ、と腹立たしい。
状況的に子供たちは母親よりも、暁之に懐いてはいるし、暁之と一緒に暮らす事を望むと思うのですが、実際のところは親権は母親の方へ行くのが現実的に多いのかなと思います。誰よりも子供たちを守って、愛してきた暁之にはとても辛い事。引き離される事は身を切られるように心が痛みます。
子供の世話で悪戦苦闘しながら就活してる時も、子供との暮らしを失う哀しみの時も、側に寄り添って支えてくれたのはタロです。急速に近づく二人の距離に若干、違和感がないと言えば嘘になる気がしますが、タロの優しさと包容力に寄りかかってしまいたい気持ちは十分なほどわかります。
離れ離れの親子になってしまっても、2年後、9年後の家族の姿が変わらずにあるのはとても幸せ。どんな形であれ、暁之とタロと来夢と檸檬と蜜柑は、家族です。深い絆で結ばれた彼らはきっと、10年後も20年後も変わらずそこに居るのでしょうね。
ご近所のおばさんがタロの事を「旦那さん」と呼んでいるくらい、タロも家族の一員だなぁと思うとなんだか嬉しくなりますね。
暁之の一番の理解者だった来夢が、9年後カッコよく成長してる姿にビックリしたと同時に、さらりと明かされた言葉にさらにビックリ!そうだったのか…来夢ーーーーーーっ。
なんだかんだと言いながら楽しく読めました。

寒い。寒い。コロナに気をつけてフォロー様、フォロアー様皆さん頑張りましょうね。
いいねしたユーザ12人
レビューをシェアしよう!