王妃のプライド
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王妃のプライド

市尾彩佳/氷堂れん

女の一生

ネタバレ
2022年1月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 12歳で政略結婚。思い違いだったとはいえ結果的に6年もの間夫に無視され、その間夫の愛人に侮辱され命の危機にさらされ国民には蔑まれ、それでも国のために尽力する主人公。しかしその努力が表に出ても見下され夫や夫の部下が間に入らないと命令を聞き入れてもらえない。能力があっても夫がいないと何一つ評価されない主人公。憎むべき夫と子を成す為に強制され仕方なく身体をつなげば情にほだされて許さざるを得なくなる。さらには子供を産んだ後も、二人目を産むかどうかも夫に主導権を握られ主人公の意思は何も通らない。虐げる側は「過去のこと」「いつまでも昔のことで」と思うだろうが、虐げられた側にとっては一生許せないこともある。それを肉体を重ねることで情を引き出し解決させるヒーロー。主人公が評価されるのも最終的には夫あっての賜物。主人公はちゃんと努力してるのに主人公単体では何を言っても周囲の人間に軽んじられる。しかも最後がアレって…作者の「女は男に愛されないと何も得られないし男には敵わない。だから男を受け入れた途端主人公は幸せになれた」というメッセージが明確に伝わってきて最初から最後まで読んでいて不快感しかなかったです。でも女の一生としてはリアルで良いと思うので、「精神的DV」「無理矢理」「気の強い身分の高い女が虐げられる」「すれ違い」「ぎゃくたい」「空回り」「都合よくハピエン」などがお好きな方が読むと面白いと思います。読んだ内容全部記憶から消したい…。
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