君にくるまって、【電子限定特典付】
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君にくるまって、【電子限定特典付】

桃子すいか

それぞれが、抱えているもの

ネタバレ
2022年1月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ これはですね・・・表紙が超ファンシーなんですが実は精神的に痛い部分をつつかれると言いますか・・・泣ける感じの作品でしたね・・・
大まかには、毒親から逃げ出し、大学の寮「金襴寮」に入る事になったイオリと、その金襴寮の優しい仲間たちとの交流を描いているのですが、その中で、イオリにとって心の拠り所となる存在:アキとの出会いがメイン・・になるでしょうか。
イケメンだけれど、人との関わりが苦手なイオリ。反対に、帰国子女であり親の都合で世界中を転々としていた明るく積極的なアキ。けれど・・・アキにはアキの、抱えている事はあって・・・と人それぞれの心の隙間の部分に焦点を当てて描かれています。とは言え主にはイオリと母親との関係性・・なんですけどね(^^;
みんなみんな、多かれ少なかれ、色んな事を乗り越えて生きているんですよね・・。人との関わりは時には面倒だったり厄介だったりもするけれど、結局1人では生きてゆけない・・お節介なくらい世話を焼いてもらって有難いことも多々あります。アキ(や寮の人達)が積極的にイオリに関わってくれたお蔭でイオリは人肌の温かさや落ち着く場所(人)を見つけ、反対にアキも、離したくない大切な人に出会えた✨人との出会いって有難い・・そんな風に思う作品。優しい雰囲気の画も相まって、最後はホント温かい気持ちになります(^^
ある意味、イオリの母親も可哀想な人(心の弱い人)ではあるかも知れません。もっとも、だからといって子供にその感情をぶつけたところで受けとめきれないし、小さい頃に受けた心の傷は、そうそう癒されるものでもありませんから「酷い母親」なんですけれど。でも母親にも色々な事があってそんな状態になってしまったわけで・・・一概に「悪者」に出来ないかな・・なんて思ったり。イオリと心を通わせる事は出来ないかも知れないけれど・・・母親は母親の人生を穏やかに送れたらいいのにな・・・なんて、ちょっと思いましたね。
まぁメインはアキ×イオリなんですけど(^^;心理的な面で色々考えてしまう作品でした(^^エチもありますけど、重要な部分はソコじゃない。とは言え、2人の「初めて」が見られて嬉しかった~💕とにかく内容が深くて、何度も読み返したくなる素晴らしい作品でした!!
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