ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~
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ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~

寺崎昴/笠井あゆみ

誰もがギフテッド。

ネタバレ
2022年2月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ その(人間以上の)能力や(人間にない)モフモフ感など、獣人であることが魅力的なファンタジーが多い中、一味違う獣人作品です。

現代の人間社会で獣人というマイノリティとして産まれてきたことによる劣等感。
外見にしっかり現れる「病気」は隠すこともできず、感じ続けてきたであろうものの大きさに胸が痛くなりました。
人から向けられる言動にとても敏感で、でも折り合いをつけ諦めることを覚えていく...
そんな祭の気持ちを一番理解してくれる、こちらもゲイであるがゆえに辛い思いをしてきた哲平に出会えて本当によかった。
先天性獣化症の祭とゲイの哲平、繊細な2人の優しい歩み寄りでした。

それはギフトであり、そして私たちの誰もがギフテッドであると教えてくれた塾長GJ!

彼らを愛する家族と、ほんの少しの友人と。
まだ若い2人がこれから出会うだろう人々にも「個性」として受け入れられ、幸せに居続けられますように。

言葉選びや心情描写の丁寧さ、美しい文章も大変素晴らしかったです。
(2021年2月/225p)
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