このレビューはネタバレを含みます▼
秋平しろ先生のお洒落な表紙が素敵なこの作品、ワクワクして読みました。天才おぼっちゃま作家と編集者のイケメン同士の恋。
ところが始まりが全く甘くない。
編集者の旭は作家扱いの上手い編集者。新進気鋭の小説家壮介の才能に何とも複雑な気持ちを持っていて。
一方セレブな家で反抗期を引き摺るように引きこもりニートだった壮介に、旭のようなできる社会人は眩しすぎて超苦手。2人の目線で交代しながら話が進み、テンポの良さで話に引き込まれてしまいます。
2人が互いを苦手だとする理由が既に「イケメン」「才能ある」「すごい」というリスペクトからの嫉妬。会話の噛み合わなさが可笑しくて。面白いなあと思いながらページをめくれば秋平先生のどハマりなイラストでしょ。
これは何のご褒美ですかー?ってくらいにリボンがかかってます。
2人が壮介の次の作品の打ち合わせで喧嘩を経て本音で語り合えるようになってからの旭の毒舌が面白い。
互いをリスペクトし嫉妬し、ぶざまな姿さえ晒し、わかり合って行く過程が作家と編集者という設定もあってかドロドロしないでお洒落に読める。
でですね、できる大人の男、ゲイの編集者旭の素顔が見え始めたらもう萌の暴走は止まらない。
旭は思いの外可愛いし、コミュ障壮介は爽やかイケメンに変身するし、ナールほどこれは遅くやって来た初恋も大パニックになる筈ですね。
2巻目の「初恋アミューズメント」は「大パニック」のスピンオフ。1作目でハイテンションな明るいバイだった人気漫画家の鈴木とミステリ作家の正信が主人公です。
こちらのcpも会話のズレと互いの仕事への共感やリスペクト、そして人間として、恋と共に成長していくのがめっちゃ楽しい。
どちらも巻末に秋平先生のミニ漫画が載っていて、イラストもいつもより多めだし大満足!
このシリーズ、月村先生の作品では間違いなく1番好き〜。