にいちゃん
」のレビュー

にいちゃん

はらだ

日常とかけ離れたようでいて

ネタバレ
2022年2月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みやあらすじだけでプンプンと香ってくるアブノーマル臭に、気になりつつ手を出すのを躊躇っていました。ですがいざ読んでみると、自分の気持ちや趣味嗜好が世間に否定されるとき、どうすればよいのか?という問いが一貫して描かれており、その悩みに近しいものを抱える私にとっては、遠いようでとても身近に感じられる物語でした。
「迎合して世間に溶け込みたいたいけれど、それができなくて苦しむにいちゃん」と、「相容れないのなら切り捨ててしまえばいいと考えながらも、まだどこか割り切れていないゆい」の対比がリアルだからこそ、そう感じるんだろうなぁと思います。一見もやっとする終わり方も、結局その問いに正解はないがゆえのものだと考えると妙にスッキリする感じがします。
まだまだ何度も読み返しては考えさせられる、忘れられない作品になりそうです。
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