現実主義勇者の王国再建記
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現実主義勇者の王国再建記

上田悟司/どぜう丸/冬ゆき

ご都合主義+ハーレム

ネタバレ
2022年2月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 異世界に転生した高校生が国王となり、君主論の知識でマウントを取りつつ、国を救う…といった内容ですが、ご都合主義が酷すぎて気持ち悪かったです。まず、諸葛亮孔明も真っ青の超宰相や、国民的アイドルの歌姫達が登場し、食料不足を簡単に解決。謀反した貴族達と共に隣国が攻めて来ると、国士の将軍が内応を偽装し、反乱分子を全て集めて抹殺。逆に敵の主力を壊滅させ、王を殺害して首都を占領。敵盟主の帝国軍が大群で押し寄せれば、訳の分からない理屈で賠償金を支払わせた上、二国間で秘密同盟を締結。戦後処理で、不安要素のある大貴族を全て暗殺し、所領を制圧。周りの女性は、次々と側室に願い出る…
どこから突っ込んでいいのか分かりませんが、騙し討ちや暗殺で国が治まる訳ないだろ(笑)殺した貴族達の代わりに新しい領主を送らなくてはならないし、時代背景として婚姻が最大の安全保障なんだから、大貴族になればなる程、周りは血縁、縁者だらけ。表向きは服従を誓っても、身内に粛清や暗殺を繰り返した相手を信用する人間はいない。三族皆殺しをニ族にして、子供を救うのが精一杯だったと激昂するのもサイコパス。肉親を殺されて、領地に爵位に全財産も没収されましたが、命だけは助けて頂いてありがとう御座います…と、本気で思ってますか?そもそも、宰相一人にオール・インしている時点で、君主論を理解していない。
世界同盟の盟主である帝国が、リスクを負ってまで主人公を信頼するのも不自然。世界を二分して守りましょうと言われ、頼もしいパートナーだと思うのはアホだけで、中国が同じ事をアメリカに言った例を考えれば分かり易い。しかも秘密同盟では、発覚した場合、同盟国の信頼を失って一方的な不利益を被るのは帝国だけ。交渉は軍を動かす前に行う物で、動かした後では多額の軍事費用が発生する。それを補うどころか、他国の賠償金を肩代わりって、どんだけバカなの?まあ、女皇の妹でもある指揮官が、単身敵城に乗り込み、主人公に言い包められて、姉を差し上げるので帝国に来ませんか、とか言い出す時点でクソバカなんですが…圧倒的な戦力差で「占領地の無条件返還を」「だが、断る」って、コントですよね?帝国の指揮官は女子高生以下で、隣国の太子に至っては小学生レベル。時代遅れ=バカではない。
貴族達を皆殺しにした後、主人公を慰めたいと、ハーレム要員達が下着姿になるのも嫌悪感しかありませんでした。
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