神様といっしょ。
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神様といっしょ。

アキハルノビタ

水神と荒神、かつて見捨てられた二人の子供

ネタバレ
2022年2月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 水神と荒神に、子供の頃に見捨てられた二人の人間が織りなす現代の和のファンタジー。職業愛人の九十九は相手に愛想を尽かして飛び出し、見知らぬ田舎の山中で行き倒れます。目覚めるとそこは古い民家で、甲斐甲斐しく家事に勤しむ百果という青年と、朔太朗という爺さま言葉で話す不思議な子供が暮らしていました。朔太朗は甲羅を背負い、頭にお皿、指に水掻きを持つ河童の姿をした水神様で百果は嫁だといいます。帰る場所の無い九十九が居候を決めたところに、自身も神だというクロエが加わります。やがて朔太朗が倒れてクロエによってあちらの世界に移され、百果と九十九、二人の生活が始まります。二人は生きてきた環境も考え方も違いますが、ともに幼い頃に、百果は水神への人柱とされ、九十九はネグレクトされてきたという同じ寂しさと人恋しさを持っているのでした。百果は神様と暮らすのか人と共に生きるのかの選択を迫られます。全て読み終えた後に、表紙の次のカラー頁を見ると4人の関係がよくわかります。巻末では神使である二体の水の精とトカゲさんの人型を拝せます。
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