キスは番にひざまずく【単行本版】
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キスは番にひざまずく【単行本版】

エヌオカヨチ

燃えるような愛

ネタバレ
2022年2月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●表紙の美しさに惹かれました。首輪の紐が二人を絡めとってるのが良いなぁ。(カラー口絵の紐がαの首輪になってる感じも好きです。)BL AWARD「次に来る」にノミネートされてるのですね。おめでとうございます!
●キャラクターやストーリーはすごく王道だと思います。美貌と人より強いフェロモンを利用してαとヤり放題のΩ・レオ。実は幼い頃にΩの片親に(やむなく)捨てられ、その親も悲しい最期を迎えていて、レオはΩ性の弱さを忌み、αの愛なんて信じてない。
●そこへ現れるのが、レオは俺の運命の番だ!と言い張るα・伊織。どれだけ邪険にされても、全然信じてもらえなくても、まっすぐレオに向かっていきます。この穢れのない熱さにやられました。
●普段あんまりBL読んで泣いたりしないのですが、無防備に読んで涙出ましたね…王道なんですけど。大袈裟なセリフ回しなどもあるんですけど。本能に負けて抱くことから始めてしまったことで、かえってレオに対して真摯に愛を伝えようとする伊織と、αが囁く愛なんてくそくらえと思っていたのに、伊織の熱量に少しずつ彼を信じたくなってしまうレオ。そのぶつかり合いが燃えるように熱くて、グッときてしまいます。
●一人強くあろうと肩肘を張っていたのが、ツンになり、デレが混じっていく様子が愛しく思えます。伊織の熱や、友人たちの優しさ、施設の子供たちの明るさが、レオの心を救ったのですね。辛かった過去も、未来の不安も、伊織が共に分かち合ってくれるのだろうなぁと思うと嬉しくなりました。
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