月光
」のレビュー

月光

那州雪絵

テーマは壮大だけど…

2011年1月16日
内容はいまいち。
1990年代初め以降から異様に異世界に吹っ飛ぶファンタジー系多かったのは何故だろう。こちらの月光もその系統に大いに類似する。
一番ファンタジーで飽きがくるのは、戦闘ものでパターンがほぼ同じ。しかもロールプレイングゲームに出てくるようなモンスター(ゴーレムとか。あと名前忘れたけど全部同じじゃないのかアレ)ばっかりーで、うんざりもの系統。残念ながら月光はそれに入る。

ファンタジー好きなんだけど、この月光は特に新しい感じは全くしなかった。そして最後まで読んでみて『小学生だったら楽しめたのかも』と思うくらい深みがあるようで深みのない話です。
藤美というヒロインの女の子とカイトを通して物語は展開していくのですがなんせ名前のセンスもない、他にもエービーとか…いう名前🙄ふじみって不死身みたいで読む前から引いた。カイトは、あまりにも性格が子供っぽい。

そして何よりも、世界の調和とかテーマが大きいわりにヒロインの女の子がまるで脇役のようにあまり出てこないし、周りが騒ぎ立ててヒーロー扱いになるが実のヒロインは本当に何も自分からリスクを負うこともなく積極的に動いていくことほとんどなく特に何もしないまま結局あっさり元の世界へ帰る。苦悩はほとんどしない。おかしくない?スッゴく好きな人が出来て帰らなきゃならなくなったら、普通苦悩する。泣いたり迷ったりだけど、どういう状況に置かれても悩みはなくあっさり帰ると決断する。ヒロインは何でもあっさり決断できるのだけど、潔いわけではない、証拠に自分のことしか考えずにカイトを思いやることなく逃げる。 ふじみからは、本当の優しさや温かみ可愛らしさもしくは格好良さといった魅力があまり感じられない。

テーマが大きい分、ヒロインの感情や思いはもう少し丁寧に描くべき、一つ一つの話は丁寧だから展開は遅いくせに肝心の主人公の思いが丁寧に描かれていないから、恋でキュンとするところもなくあまり共感できなかった。壮大なテーマだけがつっぱしり読者はついていけず完結。

テーマが大きいなら展開が遅いなら長くなってもいいのでもっと丁寧に書いたらいい。中途半端。オススメ出来ません。
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