このレビューはネタバレを含みます▼
ある一族に伝わる魔法のコートに宿る召喚獣と、コートを受け継いだ一族最後の末裔とのお話。コートにはウサギ耳を持つエラくガタイの良い召喚獣•サキムが宿っています(なんか重そう)コートを羽織る男•ギイとサキムの二人が旅をしながら、ちょっと不思議な事件を解決してゆく、その過程で二人の関係やなれ初めなどがわかってきます。赤ずきん、ジャックオランタン、人魚姫、星と銀貨などいずれもメルヘンをモチーフにした出来事に遭遇するのですが、「いばら姫」だけは、ギイの中に芽生え、その心を縛る棘のあるいばらと、それを解こうとするサキムとの内面の交流が描かれます。最後の『沼と銀貨』で、ギイを守る為に力を使い果たしたサキムが本来の姿に戻ってしまうのですが、普段の圧倒的な雄感とは正反対のギャップが素敵でした。巻末の『Lagnappe』(オマケ)の4コマで、さらにモフみを味わえます。