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ナツメカズキ

大作だ。

ネタバレ
2022年2月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 長編ですが、一気に読みました。凄いな、ナツメカズキ先生は。ストーリーの世界に引き込まれて、読後も ぼーっとしてました。(けれど、この作品のスピンオフ、NIGHT BEFORE NIGHTSをすぐ読みました。)シロは 強烈な(狂気的だけれど美しい)ヤンデレだと思いました。そして、彼を救い出すのが 信用できる虎、信虎でした。シロは 腐った過去のせいで 病んでるけれど、自分が病んでるって気づいて苦しんでいるから、救い出せる余地があると思いました。シロは 名前の通り、まだ 真っ白。何色にも染まっていないから大丈夫だと思いました。タイトルは、Memory Of Dear Sky(M.O.D.S)だから 親愛なる空の記憶、シロの本名は 空なので、読後 あっと思いました。これは シロの思い出のお話なんです。だから、大丈夫、シロ(空)は 信頼なる虎といっしょにいれば 大丈夫。このタイトルは 歌のタイトルなんですが、最初と最後の描き下ろしにBGMとして流れてる部分のリリックスが”雨の中、僕はすべてを失くした。でも、僕の壊れたハートの破片をかき集める。雨が止んだら、僕の上に光がさすだろう。”で、ストーリーをまとめたリリックスになってるんですよ。雨は シロの大恩人の時雨のことで、破片は ひとつずつのシロの思い出のことだと思います。苦い思い出、ですね。”雨が止んだら”は、大恩人の時雨との決別にキリがついたら、だと思っていて、時雨が夢に登場して、シロは好きな人が出来た、と伝えます。時雨は 頭をポンポンして そっかって言ってくれます。その夢で シロは時雨との決別に踏ん切りをつけた印だと思います。”光がさすだろう”の光は そこで やっと シロが 虎と歩んでいく未来を決心したことで、そして、虎を愛していることを、虎を信じることを決めたことで、やっと 心が 少し軽くなって やっと シロから色のついた空へと覚醒していくのをほのめかしているのかなと思いました。とにかく、すごい 大作だと思いました。名前やタイトルが ストーリーの中の立ち位置で こんなに意味をしっかり含んでいるものを久々に読みました。ナツメ先生の作品への 愛情を ひしひしと感じました。
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