神の聖婚―機械仕掛けの神と復讐者―【イラスト入り】
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神の聖婚―機械仕掛けの神と復讐者―【イラスト入り】

沙野風結子/笠井あゆみ

完結巻:狂気な国のぎこちない初恋

ネタバレ
2022年2月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ (BL小説)

〈神制度の国〉(1飼育→ 2落いん→ 3聖婚)
百年前に停戦和平の為に神制度を同時導入した輝土・ガラ・ノイエの三大国を舞台にした三部作。

3作目は神が機械人間の科学技術国・ノイエが舞台。
神のメンテが出来る優れた技術博士が〈管理者〉として国を統治する国。言い出しっぺ輝土国が百年目に神制度を廃止してから三年。ガラ国も廃止し合意できず百年ぶりの戦争の休戦中、管理者の交代が話の始まり〜。

百年前起動した機械人間の神セルガ×新管理者・科学博士レイ(24)の話。


技術博士が国を牛耳り司法や戦争まで機械人間が担うこの国が科学技術者の理想国家。人間を躊躇わず殺害する機械兵士を作り続ける狂気な世界に冒頭からゾクッと◎

でも中枢塔から外に出ない閉鎖的な展開が、膨大な情報説明とエロ描写で進むので、つまらないわけではないけど引き込まれませんでした〜^^;国民(人間)を感じられる客観視があれば良かったのかな〜。

強烈な感覚を百年目に知ったセルガが無垢な仔鹿のように可愛く、幼少期の欠落感からの復讐心が膨大し盲目な開発をするレイとのぎこちない初恋も良かったので、このノイエ編を序章にしたこれからの三国を知りたかったです。独創的着眼と物悲しさが残る三部作は好みなのに、スッキリしない読後^^;

シリーズテーマが壮大なので裏軸の蔓触手(沙野さん的ヒロイン笑)をここに使うのは勿体無かった(笑)斬新なエロ描写に挑まれる沙野さん素敵です。三部作イラスト担当が異なり豪華さにうっとり◎笠井さんのイラストが少なくて寂しかったです〜
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