年々彩々
」のレビュー

年々彩々

秀良子

どちらが貧乏神なのか…と思いつつ涙が…。

ネタバレ
2022年2月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ★死神になった貧乏神と一時を過ごした男たちの人情物語。(2/14まで50%オフクーポン対象作品色々です)

★ものぐさ与平は働かず、嫁に逃げられてばかり。貧乏が過ぎて、貧乏神に「働いてください」と頼まれる始末。それでも仕事は続かず、貧乏神が働くハメに…。

★分かっていても「ダメすぎるでしょ」と読み返すたびに呆れるのですよ。そして、自業自得、としか思えない最後なのですけれど、泣けてしまうのです。優しいダメ男…寂しくて哀しい…と思うのは、作者様のお力ですね。物語は、序幕となる「金魚すくい」から「デラシネの花」へ。死ねない男が、彼の死神に縋ります。本家落語の『死神』の男は、死を免れないというオチが多いですけれど、こちらの死神さんは優しくて、色気もありますからねぇ。素晴らしいBLに仕上げられていますね。表情が乏しい死神さんと寿限無長助さんですが、2人でいたら、笑ったり、泣いたり、やきもち妬いたり、忙しくなりそうです。彩々ですね。可愛い笑。

★落語シリーズ他、短編、描き下ろし含めて170ページ。短編「小向家の事情」は、時々目にする設定ですけれど、やはり、作者様独自の世界を感じますね。“オチあり”に拍手です!

★“オフ”の時の死神さんのファションが、時々アメカジ笑。
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