この世界でたった二人
」のレビュー

この世界でたった二人

桃山なおこ

強烈な印象…「粋」です。

ネタバレ
2022年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ ★ヤクザを嫌う根津、ヤクザの三男・義昭、義昭が囲う青年・譲の任侠物語。

★炭鉱の街に辿り着いた途端、因縁をつけられ喧嘩に巻き込まれた根津に加勢した義昭は、根津の腕を見込んで用心棒に誘う。断ろうとする根津に、「行くアテも無かろう」と義昭は押し切り…。

★「これは、漫画だけど、映像として流れ込んでくる」そう感じる作品でした。他の方々が、口々に「映画のよう」ということに、納得しますね。とてもシンプルな作品だな、と思いました。本当に必要なものしか描かれていないと言いましょうか、「これは、こうなんですよ」みたいな説明じみたものがない。それは、登場人物たちの潔さを表しているようでもありました。「粋」には2つのの意味がありますが、義昭は「いき」、譲は「すい」、根津はちょうど中間でしょうか…そんなことを考えつつ、彼らの生き様に身震いしました。

★描き下ろし含めて179ページ。映画であったなら、エンドロールを呆然と眺め終えたところに、描き下ろしが映し出されたのでは…と想像します。そうしてまた、強烈に心をとらえられるのだと思います。

★レビューで知った作品です。素晴らしい「男の世界」に出会えました。感謝です。
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