STAYGOLD
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STAYGOLD

秀良子

カタチを変えても輝き続ける…私の中でも。

ネタバレ
2022年2月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ ★13歳・中山駿人と叔父・中山優士と優士弟・コウと駿人妹・菊花が、家族のカタチを変えながら長く長く時を重ねる物語。

★「誰かに取られるくらいなら、いっそ殺して俺も死のうと思った」(天城越え?と思ってしまいましたよ苦笑)13歳の秋、髪を金色に変えてきた駿人は、泣きそうな顔で優士にそう告げた。13歳て子供なの?子供じゃないの?駿人の真っ直ぐな想いに優士の戸惑いの日々が始まる…。

★「大人になっても、魂のどこかにその輝きを持ち続けていますように…」と願うまでもなく、駿人は自分らしく輝き続けるのだろうな、と思います。駿人の想いは、髪色と同じくブレることはないのですが、高校生活3年間で「気持ちに応えられない側の辛さを知ってしまった」という彼の成長に、胸が締め付けられる思いでした。「大人になる」ということは、「人の痛みを知る」ということなのかもしれませんね。それは、少しだけ人を臆病にさせるけれど、愛し方を教えてもくれる。中学生の駿人が日高から学んだ恋の駆け引きとは違う、好きだからこそ押せない“引き”。それがまた、思いもかけず効果を発揮してしまうのが、何とも言えなくなります。優士よ…あなたの内面は、何て繊細なのでしょう…。優士を見ていて、以前、先輩に言われた言葉を思い出しました。「恋の始まりが、寂しさってことがあるの」……優士がずっと家族という形にこだわっていたのも、駿人への気持ちが変化したのも、彼の寂しさによるものかもしれない。それで、いいんじゃないかな、って私は思います。でも、やっぱり、駿人の純粋な(自分の想いを見失わない)優士を好きだという気持ちあってこその成就ですよね。タイトル通り、私の中で褪せず輝き続ける作品です。

★1巻のみ別作品『宇田川町で待っててよ』の番外編収録。4巻は、コウと親友・日高編。コウと日高編は、『onBLUE』にて続編連載中。正直に申しましょう…この4巻に号泣でしたよ。コウ&日高、続投本当にありがとうございます。魂の欠片の行方を見届けたいですね。

★菊花ちゃんの存在の大きさよ…。素晴らしきかな。
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