薔薇色じゃない
」のレビュー

薔薇色じゃない

凪良ゆう/奈良千春

細く長く続く顚

ネタバレ
2022年2月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男同士の長い恋愛。
大学生での出会いから別れまでの5年間はあっという間。別れてからの薔薇色じゃない人生こそが本筋なんですよね。
甘々じゃないって最初からわかってて読むわけですけどそれでも人生って重い。
凪良先生のあとがきに「スパダリでも健気受けでもない普通の人たちの恋愛」みたいなこと書いてありましたけど、このcpかなりすごく素敵な人たちでした。

攻め受け両側の視点で代わる代わる語られる彼らの道のり。母1人子1人で育った阿久津が何を思い何に形作られて育ったか。水野が阿久津と別れた後、どれ程の絶望を味わったのか。
阿久津が女性と結婚するのですが、普段ならそこで読むのをやめたくなる展開なんです。でもこの作品はそれでも全然大丈夫でした。
長い年月で彼らがどんな人に出会っても、変わらない部分もあれば変わったところもあって。「才」の大将が1番良い仕事してくれましたね笑。

年齢が章タイトルになっているのでそりゃ我慢して我慢して最後まで読みますよね。面白いんですもん。
途中で挫けそうになってる方が万が一いらっしゃったら言いたい。「もう少しで山頂見えてくる〜!」って。

途中からなんだかもう辛いし「ドキはムネムネ(死語)」だし涙出るし正直イライラもしたし。
で、やっとやっとのえちシーンで多分「ナカ○キ」してる水野とダラダラ涙流してる自分が重なって15年、長い〜。。。

読み終わってしまえば、細く長く続く絶頂のような2人の恋愛を一緒に旅してた気がしないでもありません。

さすがです〜。
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