ヘブンリーホームシック
」のレビュー

ヘブンリーホームシック

京山あつき

薄切り肉の美味しさよ

ネタバレ
2022年2月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 真冬にロンドン勤務となり僅か1ヶ月で孤独感に苛まれる太田と、元同級生の行貞が偶然再会した出会いからのお話。

海外って、日本の牛丼やすき焼き肉みたいな薄切り肉って中々ないんです。ドーンと大きい塊肉ばかり。。
ヨーロッパではありませんが、ひと月だけアメリカに滞在していた頃を思い出しました。
朝は味のないシリアルとミルク。昼は大味ででっかいハンバーガーやホットドッグ。夜はステーキのルーティン。せめてジューシーなベーコン食べたいのにカッチカチに焼かれしまう。
拳大のダブルのアイスクリームは嬉しかったけど、そんなに食べれるものでもないのです。
街全体の香りや聴こえてくる言語の違いに日本語や日本食に飢えて無性に人恋しくなった記憶が甦る。。

「ホームシックで寂しいからお互いたぶんどっか正気じゃない」という人恋しさって本当にあると思うんです。
そこに「恋なんかそもそも正気じゃない」というフレーズに痺れました。
ここからの展開がまたまた好きです。
序盤の太田くんの行動には引きましたけどね(笑)
男が好きじゃなくてお前が好きっていいですね。
何だか学生みたいに可愛らしい2人ですが、出会いからここまでの運びもとても自然で心理描写に魅了されました。
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