藍より甘く
」のレビュー

藍より甘く

一穂ミチ/雪広うたこ

切ない藍色

ネタバレ
2022年2月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 泣きました〜。
作中のほとんどは、ごく普通のノンケ男、暁行(アキ)によって語られます。友達だと思っていた遥(ハル)に好きだと言われて混乱するところから始まり、それから1年間に起こる出来事は胸を絞られるような切なさ。
2人のバイト先の居酒屋や、ハルのアパートのある町。夏休みのハルの家。折々に挟み込まれる「ブルー」の別の名。
こんなに色んな「青」があるのかと思いつつ、これがとてもロマンティックなんです。
ハルの実家、藍の生産農家の仕事の描写。お仕事小説としてもこの辺りは一穂作品の楽しさですよね。
アキの彼女は振られて可哀想なタイプには見えないのですが、前半、アキの彼女への思いやブログに書かれたホモフォビアっぽい独白があまりにも上手く描かれていて、どうにもアキが信用できないのはそのせいかと。
後半ハルのターンでハルの気持ちがわかってくると、もうたまりませんでした。泣くわーこれ。
他の方も書いていらっしゃる通り、今はいいけどこの先この2人大丈夫なの?と思わないでもないのです。
でも最後の激甘アキに免じて前半のノンデリカシーも許してやらないでもないでもない。。。かな?
この2人のその後は「long hello +ASSORT MIX」にショート3遍収録されてます。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!