ノーカラーベイビー
」のレビュー

ノーカラーベイビー

奥田枠

作者ならではの主人公の病みと弟の闇

ネタバレ
2022年2月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 人目を惹き、何をしても喜ぶビッ チと言われている眞白が、付き合っている相手に追い出され、絡まれているところを大地が助けてくれます。眞白は勢いで、真面目そうな大地を誘うのですが、思いがけず優しく抱かれて面食らいます。優秀な弟を中心とした家庭から見放され、好きな人を悉く弟に取られてきた眞白は、疎外感と孤独から相手の望むままに振る舞うことで相手に愛されようとしてきたのでした。暴力的に奪われる力の強さを、求められる強さだと思うことで自分を満たしてきた眞白は、大地の無条件の優しさに触れて、ありのままの自分で愛されたいと願うようになります。大地と両想いになってもなお、好きな相手になら酷いことをされても幸せな筈と言う眞白に胸が痛みます。付き合う相手だけでなく、弟に対しても望まれるままの姿を演じてきた眞白が、大地の前で何も隠さぬ真っ白な自分自身として愛し愛されるようになり、他人からの色を落としたno colorから幸せ色に染まるお話です、
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