このレビューはネタバレを含みます▼
心情の描写がとっても細やかです。そして確かに二人の関係だけ見ればハッピーエンドなんですけど、私には決して手放しで喜べるものには見えませんでした。片や何でも相談できるいいうちで大切に育てられていて、片や18にして家族と訣別。この全5巻を読む限りではその背景は虐/待やネグレクトであり修復不可能なんですね。
「旅立ち」とか言えばそれまでですが、その不条理を縫い閉じないでエンディングまで持っていくところがこの作家さんのすごさだと思いました。というか、これがオメガバース作品の性質なんでしょうか?まるで間近で見たかのようなPTSDの描写だったんですが…。