ダズリン スマイリードッグ
」のレビュー

ダズリン スマイリードッグ

酒渼ゆづ子

泣けました。

ネタバレ
2022年2月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 宗一は 父親に嫌われて 家を出た。楽は 父親に嫌われて、母親が 彼女の実家に楽と帰って来た。そういう子供時代を送った二人が やがて 大人になって 偶然にも 巡り会って、そこから 始まる不器用なラブストーリーでした。”愛されたい”二人なのだけれど、宗ちゃんは いつか 楽が戻ってこない事を恐れて、好きだという気持ちを握り潰していて、楽は 普通じゃない、と言われ続けて育ったから、それが 原因で、宗ちゃんと上手くいかないんだ、と悩み、結局のところ、長い長い楽の家出は 二人に考える時間を与えて 両片思いを両想いにするのだけれど、宗ちゃんの告白の時、彼の手が震えているのだけれど、多分、それは 緊張が解き放たれての安堵の震えだと思うんだけれど、楽が ”俺が 手を 握っててあげる”と言った時、涙腺崩壊してしまいました。楽の母親が公園から帰ってきた時も実家に戻った時も 彼の手を握ってて ”お母さんが 守っててあげる。”って言うのだけれど、楽が その”守ってあげる。”という行為を ちゃんと 受け継いでいて、楽にした事、なんか ちゃんと 普通だよ、普通以上だよ、って思って 泣けてしまいました。お母さんは きっと 天国で 微笑んで、楽のことを 見守っているんだろうなぁ、と思ったら、又 泣けてきました。ただただ 楽は 芸術体質で 絵に没頭すると 他のことに気が回らないだけで、それを ちゃんと 母親も祖父母もわかっていて、愛情 たっぷりで 楽に接していたのだなって思ったら泣けてきました。宗ちゃんは 誰がの特別になりたかっていうですけど、もう そこでも ホロホロと泣けました。それから タイトルのダズリンですが、英語で 眩しいって意味なんですけど、タイトルだけで 考えると 楽のことだけれど、楽が シーグラスのくだりで、宗ちゃんに ”宗ちゃんは キラキラしていて 眩しい”って言うところがあって、タイトルの”眩しい”は 実は 宗ちゃんのこともさすのかなって思ったりしました。もう 色々と 頭の中で ぐるぐると考えながら 読んじゃって、涙と鼻水で ぐちゃぐちゃになったけれど、それでも 読後 爽快なので 終わり良ければ総て良し、です!
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