Unnamed Memory
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Unnamed Memory

古宮九時/越水ナオキ/chibi

魔王や勇者は出てこないけど

ネタバレ
2022年2月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 良質のファンタジーだと思う。
最上階に到達したならば魔女に望みを叶えてもらえるという塔を、圧倒的な強さで踏破した王子。望むのは別の魔女にかけられた「子孫を残せない」という呪いを解くこと。魔女の解析により、子供ができないのではなく、子供があまりにも強い魔力を帯びるため耐えられる女性がいないという呪いであり、塔の魔女にも解呪はできないことが判明。魔力に耐えられるほどの強い魔力を有する女性を探すという魔女の申し出に対し、王子が出した答えは「結婚してほしい」というまさかの求婚。魔女は、その望みは叶えられないと断るも、1年間王城で暮らすことになったことからストーリーが始まる。グイグイ迫る王子に対して、さらりとかわす魔女。そのうちに城下で事件が発生し、巻き込まれていくという流れ。
普段はチャラ男気味に魔女に求愛をする王子だが、強力な媚薬を盛られた時には強固な意志で抵抗するなど、本質はまじめな紳士であることを伺わせる。
圧倒的な剣の腕を持ち、魔法抵抗のある剣を携えて、政務能力も高いハイスペックな王子だが、権力をひけらかさず、自然体であることも好感が持てるし、エロ要素もほとんど出てこないことも良い。
王子が呪いをかけられた理由はなにか。王子の恋の行方はどうなるのかなど、多くの謎があり続きが待ち遠しい。
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