500年の営み
」のレビュー

500年の営み

山中ヒコ

幸せになってほしい

ネタバレ
2022年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 愛を分かち合う場面はとっても少なく、胸が締め付けられるほど切ないお話。ですが長い長い年月、相手を思う気持ちはずっと色褪せずにそこにあります。好きになった相手のいない世界は意味のないものだと命を経とうとする寅ですが、裕福な家庭ゆえに脳手術が発達するまで冷凍保存させられ250年後に目覚めます。そこには恋人だった光の替わりになる全然似てないアンドロイドがいて、彼との生活が始まるのですが…。死にたかったのに生きてて、しかも目覚めたら自分の知らない世界になってて、頼れるのは毎日「寅さん!」と起こしてくれるアンドロイドのヒカル。初めは受け入れ難い現状も、一緒に暮らしていけば情も湧くし愛も…やっと2人の幸せを見れるのかと思ったら、また不幸が。作者様、鬼なんですかね?笑。えー!また250年経つの?!と読んでて悲しい通り越して呆然としました。寅もだけど、ヒカルはずっと寅の事を思いながら一人で250年も過ごしてたのかと思うと涙でてくる。もしかしたらもう一生会えないかもしれないのに生きてるってどんな気持ちなんだろう。…泣けた。
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