僕の初恋をキミに捧ぐ
」のレビュー

僕の初恋をキミに捧ぐ

青木琴美

駆け抜ける純愛

2011年2月28日
余命を宣告された人の恋愛ストーリーは沢山ありますね。大抵の作品では、ストーリー展開中に泣かせるシーンが頻繁に登場します。
でも、本作品にはそうしたお涙ちょうだいの浪花節が少ない気がしました。むしろ、読み手でなくキャラ達が泣いてもどこか爽やかで、落ち着いて作品を読めました。
かといって感情移入できない訳でなく。皆が辛く苦しい気持ちを胸に秘めながらも前向きに今を大切に生きる、って姿勢を貫いているからこそ、よほど追い込まれたシーンにならないと、同情から涙するのが失礼に思えて。背筋を伸ばして読みました。

僕妹とリンクさせる展開も無理がなく、本作品に深みを与えた印象でした。
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