いつも覚悟はできている【イラスト入り】
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いつも覚悟はできている【イラスト入り】

綺月陣/周防佑未

結局、倫章しか勝たん!

ネタバレ
2022年3月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「いつも」シリーズ第6弾。
真崎と倫章リターンズということで、前回最後のブッ込みエピソードに相当な反響があったせい(おかげ)かと思われます...。
でもそこはホラ、綺月陣先生ですから笑。
誰もが望む展開ではないかもしれません、読み始めに躊躇したというお声もチラホラ...。

倫理観を問うレビューが多いですね。
子供を産み育てるという「命」に関することですから。
それぞれ価値観が異なるのは当たり前、そこをどうやって埋め合って一緒に生きていくかが全体的なテーマかなと思いますが、どうやら一方的に倫章が受け入れる(させられる)感じが一定数の拒否感に繋がっていると思われます。

真崎と頼子は相変わらず現存の習性に拘らない独自の見解を貫きます。
そしてそれは先回りして不安要素を潰し、生活を満たすという倫章のためでもあるんだけど、なんせ横暴すぎる...。
断ることができないプレッシャーを強いる四方固め作戦の連続。
2巻レビューでも書きましたが、もう一度声を大にして言います。
「先に言えよーッ!!」
2人の大事なこと、一緒に悩みたいし一緒に最善を見つけたい。
それに命が関わることだもん、心の準備をして、誕生を待ち、ようこそと笑顔で迎えてあげたかったのにね。
置いてけぼりというか蚊帳の外扱いをされてる気がしてならない。
正論が聞きたいんじゃない、だれか1人でも倫章の気持ちに寄り添ってあげてほしかった...。
弱くて脆くてまったく使えない真崎が見られたのが救いかな。

倫章流の「覚悟」の決め方。
おおらかな彼らしく、ほっこりにっこりさせてもらいました。
誰に対しても愛情深く包容力のある倫章の、人との関わり方が本当に素敵。
倫章の元にやってきた章彦は100パー幸せになれるだろうな。

私はもう何年もこのシリーズをリピ読みしていますが、個人的には時代の変化とともに捉え方も違ってくるのかもと思っています。
なので、この作品を読んで嫌悪感を抱いた方もいつか再読してほしいな。
(2016年12月/233p)
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