花丸漫画 愛のはなし -恋のはなし2-
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花丸漫画 愛のはなし -恋のはなし2-

斑目ヒロ

表紙の俯きが切ない。

ネタバレ
2022年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作でちひろは好きだと告白したにも関わらず、1ヶ月も毎日、甘い言葉を交わす事もなく行為をするだけ。浅い夢のような中でお互いを体で繋ぎ止めることしかできず、卒業式の日あなたを見て涙が出たと伝えられるほど強かであったら変わっていたかもしれない。おまけのおもちゃを持っていると言えば良かったのに、律は違うと縋れば良かったのに不器用なちひろ。名前を呼ぶ事も、待ってと、たった一言を言う事もできなかったのは愛に変わっていて怖くなったから。しかも無自覚。堕ちた先にちひろがいたにも関わらず律に気付いてもらえなかった。律もパートナーへの後ろめたさと、ノンケと思っていたちひろに告白するほど、焦がれていた時の胸の痛みを忘れられず臆病になっていたのだろう。そうでなければ、おもちゃの存在を確認したりはしなかったはず。前作では腹立たしかった律に対して、愛した存在を裏切る程、どちらも選べなかった弱い人間にさせたのは、手の届くところにあった初恋のせいだと思うと仕方がない。戻ったのは贖罪と、ちひろに愛されていない思い込んでいたのが不安だったからだろう。一番タチが悪いのは即物的なことより、恋心を持った過去がある相手に対して友達でいいからそばに居たいと願うことではないのか。パートナーから見たら寝取り無くても不安案件だと思うけどな。初恋だけは友達に戻れないが持論です。最後の笑顔の意味が分からないとこの全容が理解できませんでした。そして、初恋は人を走らせるんだな。
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