べな
」のレビュー

べな

こふで

なんと良作な!

ネタバレ
2022年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 江戸、鬼と人の恋、兄弟愛…盛り沢山な本編だけど全てが丁寧で重厚でじっくり読めるBLです。着物の描き方も背景もリアルに描き込まれてて何の違和感もなくその世界にどっぷり浸かれるの嬉しい。鬼のべなは人よりも優しく、ただただ大好きな壱の側に居たいだけなのに、自分の心次第で人も仲間も傷つけてしまった経験から常に自分の力を恐れてて、いつかまた1人になるのでは…と不安を拭えずにいるのが切ないです。壱に嫌われないように、役に立てるように健気に振る舞う姿…泣けてくる。壱の心にもずっと亡くなった弟の二三がいて「自分が幸せになってはいけない」と自ら卑下し悔いてるのも本当に読んでて辛かった。(二三とダンゾウの関係も、どうしようもなく胸が詰まりました)そんな2人が少しずつだけど抱えているものを浄化していき、不安を拭い去るように愛を確かめ交わう姿はいろんな感情が湧いてきてドキドキしました。人の浅ましさや弱さがちゃんと表現されてるからこそ、べなや壱の幸せが一層重く感じれる良作。3巻とも区切り良い終わり方をしてるので続編物ですがストレスも感じません。読んで損なしです!続編も絶対買います。
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