壁越しの男【電子限定特典付き】
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壁越しの男【電子限定特典付き】

佐久本あゆ

「壁」は本当は何を指すのか?★4.5

2022年3月18日
人間不信なエロ小説家の東金×奔放な隣人・世良お話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計220ページ。夜な夜な隣の部屋から聞こえる隣人の喘ぎ声に悩まされていた小説家先生。それならばと隣人の世良をモデルに小説を書いてたいたところ、それが本人にバレてしまい、以降二人の不思議な交流が始まって…。作者さんの作品購入はこれで9作目になります。多分作者さん買いで一番多くコミックス持っている先生かも。何となく爽やかな作品を描かれるイメージが強い作家さんだったので、今作のような性に奔放なビッ/チ受けというのは意外でしたが、内容の割にドロドロしてなくて読みやすかったです。全体的な評価がそんなに高くなかったのであまり期待せずに読んだからかな。表紙やタイトルの「壁越し」というところで、ちょっと変態チックな作品なのかなと思っていたんですが、「壁」というのは先生と世良の関係の隔たりを比喩したようなものかなと。壁越しに声が聞こえるとかはありますが、表紙のイメージとはちょっと違うかなと思います。世良が色っぽいのに先生に対しては無邪気で、まさしく猫のようで魅力がありました。過去の経験から人間不信になっていた先生の心の隙間を埋めて、少しずつ先生の心が解かれていく様子が丁寧に描かれていたと思います。結局救われたのはどちらだったのか?あからさまな救済ストーリーではないんですが、二人が一緒に次に進むことができて良かったです。ちなみに、世良の職業柄、もしくは性格も相まって、他者との行為や3Pもありますので苦手な方はご注意を。
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