このレビューはネタバレを含みます▼
表題作全3話+短編前後編+表題作の描き下ろしで合計169ページ。表題作は教師の久慈さん×元生徒で今は会社員の棗のお話です。夜のゲイタウンを彷徨っていた棗を見つけたのは、当時棗の通う中学で教師をしていた久慈さん。それ以降久慈さんに想いを寄せる棗が、その関係を変えるキッカケを作るためあれこれ奔走し…というお話。夜の街で出会ってから10年も片思いってすごくないですか?!卒業したら、成人したら、就職したら…いつかはその関係が変わるんじゃないかとわずかな希望を抱えてずっと片思いする棗が健気でちょっと切なかったです。棗はそんな関係を変えるキッカケを探しているんですが、探し方がこれまた斜め上でした。久慈さんが最後には心を決めてくれて良かったです。二人のやりとりもテンポ良くて面白かったです。同録の短編は、突然倒産した会社の同僚で赤坂×南のお話。赤坂が何気なく南にあげた宝くじが、300万円当選していて…というお話。なんか300万円という数字がリアル笑。正直、赤坂が南を好きになった経緯は全く理解・共感できなかったけれど、二人のやりとりはテンポ良く面白かったです。