善次くんお借りします
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善次くんお借りします

玉川しぇんな

なんで読んでなかったんだ!

ネタバレ
2022年3月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●ずっと気になりながらも見送ってきた本作。ようやく拝読しましたが、良かったです。関西弁も柔らかめですごくいい(私は関西弁ネイティブですが違和感ない。)
●善次は勉強ができて人の体調を診ることが得意。でも「そこに収まってるだけ」だと言う。ストーリー冒頭の善次のモノローグからズキッとした。じーちゃん、それはあかんよ…
●祖父の望むような自分になれない苦しさ、ぐちゃぐちゃの気持ちが涙になって溢れ出たとき、手を引いてくれたのが花岡。彼は祖父が自分に期待したことを全て体現してるような男で、善次にとっては羨望の対象だった。なのに彼も彼で過去に嫌な思いをしていて、野球は「そこに収まってるだけ」だと言う。そんな迷子になってる二人が惹かれあっていくお話です。
●花岡には善次が唯一安心できる相手で、素直に何でも話すし恋心に直結してるのですが、善次の方は複雑。俺は花岡のこと好きなのか?と自覚してからも、葛藤はなかなか消えない。
●えっちまではなくてもよかったかもなぁ…健全な高校生、性欲はあっていいと思うので、抜き合いは大変良かったですが、えっちは場所もアレだったしすんなりあっさり…。花岡を好きになることへの善次の葛藤は語られていますが、それなら身体を受け入れることには尚更迷いがあるんじゃないのかなぁ…とか。それほど強く、花岡のことが好きだと確信したってことなのかな…ラブラブなのは良いですが!
●最後は「お借りします」のはずが「下さい」になって『続』に続いていくのですね。『続』の単行本化待ってます!!
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