フールナイト
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フールナイト

安田佳澄

絶望の闇に咲く花

2022年3月28日
分厚い雲に覆われ、日の光が遮られて100年が過ぎた世界。
植物は枯れ、酸素は薄く、冬と夜ばかりの闇の中で
人類は人間の肉体を植物化し光合成させ、酸素を生み出し生きていた――。

今私が一番推してる作家さん。
この作品で描かれる、絶望の世界が怖いほどリアル。
みんな一見普通に暮らしているように見えるけど、高額な税金による生活苦、危機的な食糧不足、貧困のため受けられない教育や医療…
「あと十年もしたら、本当にこんな世界になるんじゃないかな」と思わずにいられない。

でも そんな世の中でも 人が人を愛し、大切な人がずっと笑っていてほしいと願う姿に心が軋む。

とにかく読んでみてほしいです。
まだ連載中ですが、怖くて切なくて無茶苦茶面白い。
もっとこの作家さん、評価されてほしいな…超おススメです
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