魔法使いは触れて解ける
」のレビュー

魔法使いは触れて解ける

星倉ぞぞ

特別と普通。ありきたりな言葉なのに重みが

ネタバレ
2022年3月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さんの作品はこれで3作目。このコミックスが発売された時からずっと気になっていて、ずっとカートに入りっぱなしでした。なんでもっと早く読まなかったんだろう!こんなにレビュー数が少ないのも何故!?期待以上にとても良かったです!
さて本作品は、桁違いの魔力を持つ人間のジル×人間と妖精に間に生まれた「ミクス」のリズのお話で、表題作のみ全6話+描き下ろしで合計236ページ。ミクスは触れた人間の魔力を吸い取る不思議な力があるということで、学園の片隅の温室に軟禁されているリズが、強い魔力を持つジルと交流を始めて…というお話です。普通ではない二人が寄り添い合う優しいお話に、ファンタジー要素が加わって最高の仕上がりになってます。不思議な世界観ですが、ストーリーや設定がしっかりしているのでとても読み応えがありました。加わえて、妖精とか背景とか、絵も隅々まで綺麗で丁寧に描かれた印象です。ジルとの交流により、少しずつリズの世界が広がって、それに伴って色んなことが変わっていくその様子がとても丁寧に描かれていました。普通に生きる難しさ。普通だとしても誰かにとっては特別かもしれないし、「特別」と「普通」、ありきたりな言葉なんですが重みがありました。ちなみにエチは最後に一回、描き下ろしで一回。ガッツリ白抜きですが、物語の雰囲気を壊さず描写されていたので特に気になりませんでした。
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