二人は底辺
」のレビュー

二人は底辺

小西明日翔

好きで「こう」なんじゃない二人

ネタバレ
2022年3月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな「来世は他人がいい」の吉乃と翔真の過去の物語。
1冊完結なので、翔真が父親といままでどんな会話がありどんな辛い日々を過ごしてきたかという点は細かく描写されていませんが、作中台詞の
「どれだけ待っても今まで誰もコイツのこと殺してくれへんかったやんけ」という文面に時間も感情も全て詰め込まれており、翔真が長いこと感じていた苦しみが伝わりました。
吉野は、有名な極道一家の娘として学校でも知られており、かといって女という立場上家の中でもそんなにいいもんでもないという状況?(これは私の勝手な感想)の中で、吉乃も翔真もお互いにやっと気を抜いて身を預けられる存在を見つけた話なのかなと思いました。
だからこそ「来世は他人がいい」の本編が進むと二人の絆が将来どのような形に収まっていくか気になって仕方がありません。
いいねしたユーザ8人
レビューをシェアしよう!