エンドランド
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エンドランド

まりぱか

ただ一つ、一緒に傍にいたいだけの二人

ネタバレ
2022年3月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 感動作です。ぜひネタバレ無しで読んで下さい。生き物が住めなくなった地球の小さな島で、いつきは兄のようなジュンとたった二人で暮らしています。大好きなジュンと一緒に暮らすことに満足しているいつきですが、食べ物にも事欠くようになり、いつきを心配するジュンに子供扱いされていることには不満を募らせていました。そんないつきが海で不思議な機械を見つけます。もしかしたら島を出られるかもしれない、他に人がいるかもしれない、水や食べ物や寝床にも困らないで暮らせて大人になったらジュンを支えて、想いを告げて…いつきのジュンへの想いの真っ直ぐな幼さが切ないです。いつきの命、いつきの未来、いつきの不安を除くことだけを考えて動くジュンの姿、さらに別れの前夜に抱き合う二人、最後にぽつんと浮かぶ「おやすみ」に涙腺崩壊しました。ラスト15頁は映画を観ているようでした。読了後にわかる、表紙の次のカラー頁の幼い手と大人の手から恋人つなぎになるまでのカットのセンスも素晴らしいです。『幸せになってほしかった』同じ高校に通う片思い相手が、彼氏からDV被害を受けていることを知った山本くんのお話です。
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