このレビューはネタバレを含みます▼
古代。いつかはわからない時代の、2人の王子が運命に立ち向かう。対照的な2人。デイメンは真っ直ぐ。ローレントは鉄面皮で思索に耽り、人を従わせる。デイメンは兄に謀れ、敵国に奴隷として送られ、ローレントの元で自国に戻る事を決意する。ローレントは表情から何も読ませない。それが彼のやり方。ただの高慢な王子ではない。どう見られているのか、どうなるかを分かった上で、言葉で人を操り、思いのままにしてしまう魔術師のよう。叔父との確執があるのを、デイメンは最初全く気づかない。他国の事情だから、当然であるが。展開が読めないので、次へと読み進みたくなり、あっという間に読破!2人の王子の習慣の違いとか、細かく描かれています。一緒にいる事で、思索に耽る事があまりなかったデイメンが考えようとするシーンに、影響されてるなぁって思って、人との関わりが及ぼす影響なんかをかんじました。兎に角、ローレントは鉄の意志なので、あまりラブラブはない、ないけれど、時折挟まれるらぶがご馳走のようです。緊迫したシーン多目です。特に、ラストの衆人環視の元で最後の賭けに出るシーン。あの方の奥方が出てくるまで、ヤバい展開だったので、息が詰まります。奥方が赤裸々に夫が幼い息子を差し出して地位と金を手に入れた事を明らかにするって、凄い。子供を差し出され、穢され、死なれた母親の気持ちが切ない。対して夫は風見鶏なのだよ。