のだめカンタービレ
」のレビュー

のだめカンタービレ

二ノ宮知子

凄いよね。

ネタバレ
2022年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ なんというか傑作だと思います。
人も音楽も現実感が薄いのに、ハチャメチャで遠回りしながらもその道を突き詰めて、本物の天才の人生を垣間見てるかのような、本当に不思議な空気感のある作品です。

最初は少し主人公や他キャラの奇行がウザい感じがあるんですが、ピアノを前にした時の雰囲気が変わる描写が上手くて、絵から音が聞こえるようだ!みたいなことは全く思わないけども、説得力という名の惹き付ける力が素晴らしいと思います。

のだめが天才であっても紙一重で落ちこぼれの変人で、動機は不純なのに高みを目指してからの葛藤や、遂に音楽と向き合うってなってからの虚無。
先輩の天才でありながらトラウマを抱え一番したかったことが出来なかったが克服し、地道にひたむきにそしてのだめに触発される姿。

など天才同士の異次元レベルでの共感が、凡人でも音楽に造詣が深くなくても見ているものを巻き込んで楽しませてくれる、正にのだめが最後に辿り着いた音楽の道に繋がっていました。
本当に音楽が好きなんだなぁと。

一つのテーマに焦点を当て深く掘り下げながら、人そのものを描く、作者の個性が存分に味わえる作品です。
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