奈良時代の空気が肌にせまる





2022年4月3日
難解と噂の折口信夫「死者の書」を読んでみたいもののなかなか手を出す勇気がなくて、まずは良き入門書と言われているこちらを。結果、原作に向かう勇気がわきました。
この作者さんの描く、中世以前の日本の雰囲気が好きです。
古い伝え語りの神々と、新しく教養としての側面も持つ仏教が、まだ混ざり合う前の奈良時代。そのふたつがせめぎ合いつつも、魂までも澄み切って美しい水晶のような郎女を通して、撚り合わせられたような印象。あとは、浄化のイメージ。
蓮からとれる糸の儚さが極楽から垂らされる蜘蛛の糸を思わせ、それを布にし衣にするまでの過程のひたむきな郎女には荘厳ささえある。この作者さんの描く女性の手には観音菩薩を感じるので、それも相まって、読経を聞いているような雰囲気のある作品だった……と思う。自信はない。
どちらかと言うと、仏様より土地神様派なので、星5にできる「好き」要素が不足して星4つ。
この作者さんの描く、中世以前の日本の雰囲気が好きです。
古い伝え語りの神々と、新しく教養としての側面も持つ仏教が、まだ混ざり合う前の奈良時代。そのふたつがせめぎ合いつつも、魂までも澄み切って美しい水晶のような郎女を通して、撚り合わせられたような印象。あとは、浄化のイメージ。
蓮からとれる糸の儚さが極楽から垂らされる蜘蛛の糸を思わせ、それを布にし衣にするまでの過程のひたむきな郎女には荘厳ささえある。この作者さんの描く女性の手には観音菩薩を感じるので、それも相まって、読経を聞いているような雰囲気のある作品だった……と思う。自信はない。
どちらかと言うと、仏様より土地神様派なので、星5にできる「好き」要素が不足して星4つ。

いいねしたユーザ2人