祝福された吸血鬼
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祝福された吸血鬼

宮緒葵/Ciel

タイトルが

ネタバレ
2022年4月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 内容を物語っています。
セールに釣られて作家さま買い。
「悪食」が面白かったので他のも読みたいな、と思いつつ表紙とかがあまり好きじゃなくて。やっと他のを読みました。
とある小国の王子として幸せに生きていたが吸血鬼に騙されて同胞にされてしまったアウロラ×王位継承の争いに巻き込まれて国から逃げていた第四王子フロース(仮名)。
王族が魔術を持っていて、吸血鬼はもっと強大な魔術を持っている世界。
たった1人の騎士に護衛されてアウロラの住む、魔の森に侵入したフロースが妖魔達に襲われて危機に瀕していた時、妹の面影のあるフロースを助けたアウロラ。
出逢った頃は少年だったのに一緒に暮らすうち、いつしか大人になったフロース。
アウロラを慕うフロースとの穏やかな暮らしの中で何度も思い出す、アウロラを無理矢理吸血鬼にしてアウロラに愛着するも拒絶され、アウロラに殺されたラルファの描写が不気味です。
ラルファは直接はほんの少ししか出てこないのにアウロラの中での存在が大き過ぎて、アウロラの葛藤や絶望感が切なくて。
頭も良く魔術にも長けているのに初心な少年時に吸血鬼になったせいか、恋愛ごとには疎いアウロラにやや腹黒に真っ直ぐにアプローチするフロースがいい。
作者様、腹黒い執着攻めと無垢で鈍い受けがお好きなんだろうか。
『魔力の枯渇』で危機に陥ったアウロラにフロースが施す解決法が目から鱗。好きです。こういう展開。
ライバル吸血鬼が起こす騒動も、アウロラを仲間にして手元に置きたがったラルファも寂しかったのかな、と思うとなんとも言えません。
アウロラとフロースやフロースの母国のこれからを想像するのも楽しい。
「悪食」よりは幾分サクッと読めてしまいましたが、面白かったです。
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