このレビューはネタバレを含みます▼
タイトルと表紙絵から想像していた何倍も阿部先生に深く心を抉られました。痛い…。
新と夏樹幼なじみカップルの新生活。先輩涼真の存在。新たな出会いを機に知らなかった世界を知るって自然な事。カップルにとっては堪え時でもあるかも…。
夏樹が悪いんですよ同情の余地などない。当たり前なんだけど夏樹のやったことを取り返しのつかない後悔として描き切られたのが素晴らしい。
どうしようもない人の気持ちのリアルって苦いどころのもんじゃない。それを痛感するし、新側の気持ちになってめちゃくちゃ傷つく。
夏樹の後悔で縋り付く目も、殴られてボロボロになった身体も、新には自分の痛みでしかなかったと思うと本当に苦しい。
そんな苦味を知って思い出したのが愛されていたという事。というより自分が新に愛されるに足る者である事を忘れてたんだろうな。
半身だと思う位当たり前の愛ゆえ後悔の痛みが抉ってくる。
だからこそ傷付いても離れられない2人の再生の時間が、取り戻そうとどうにか繋ごうとする会話がもう愛しくて切なくて…。
最後の話で「嫌味じゃないよ」って気まずそうに笑う2人。無かったことにはならないけど、2人が手放さずに歩き始めた道には確かに愛がある。
駄目さも含めて抱きしめたくなる作品でした!
あとリバップルっていう設定が上手いな〜って!2人の関係が対等に感じる。その分夏樹の罪深さがより際立ったのではと。
感想色々書きましたが…新に見つかった瞬間からの夏樹の縋る表情、更にボロボロになる姿が性癖過ぎてゾクゾクでたまりませんでした。結局そこかい!ですが…先生ありがとうございます。