初恋をやりなおすにあたって
」のレビュー

初恋をやりなおすにあたって

尾上与一/木下けい子

凄い良かった!

ネタバレ
2022年4月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初作家さまです。
木下けい子さんのイラストとセールとレビューで惹かれて購入。
子供の頃に時々将棋崩しで遊んだ程度(コマ?の動かし方も何となく)で将棋は全く分かりませんが面白かった。
色々あってなんでも屋をしている敦也×家事が壊滅的に出来ない(というか、頭の中がほぼ将棋しかないので放置の)プロ棋士の雪。
小学生の頃の同級生だった2人。少しの間だけ交流があり、その後、引っ越しなどで離れたまま10数年。
雪の両親の海外赴任により、ヘルパーとして派遣されてきた敦也と偶然再会。
突然、目の前に現れた敦也に驚き戸惑う挙動不審な雪がかわいい。意地っ張りだったり、勝負事には負けん気の強さがめっちゃ発揮されるところも、対局にメンタルが強く影響されてしまうのも。
子供が中程度の小児喘息(入院はなし)だったので、雪が喘息に苦しむ様子は読んでいて苦しかった。
大人になってもこんなに残る重度の方は生活大変だろうなとか、色々思ってしまって。
バイの敦也の苦しみや不安感もリアルでした。どっちもOKなんて、なんかお得な感じがするなーなんて勝手に思ってたけどこうやって苦しむ人もいるのかなぁと。
凄いタイミングで当て馬の子が出てきてびっくりしましたが…
ここまで現実感のある作品は久しぶりに読んだ気がします。
絵空事のようにあまり現実感のないファンタジーめいたお話や特殊設定も好きですが、日常の生活の中で実際にありそうな事を織り込んでこんなにぐいぐい引き込むお話を書かれるって凄いなと思いました。
機会があれば他の作品も読んでみたいです。
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