見つけたボクのオメガ様
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見つけたボクのオメガ様

夏のティー

ちょっと不気味な執着系

ネタバレ
2022年4月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 181ページ。
大樹は「賢くてしっかりしている」と言うよりは「利発で傲慢」、小学校時代の力関係の逆転劇も、いじめは良くないにしてもあの性格(傲慢)では仕方ない面もあるなー、という感じで、クセのあるオメガとして良かった。最後まで上から目線(まあ滝沢はそういう大樹が好きみたいなのでそれで良い)。
滝沢も、計算高い感じや人を利用するのにためらいが無いのが、不気味な感じがあって良かったです。無自覚に大樹に執着していた感じですが、終盤で自覚してからの執着ぶりは溺愛にもつながるのでよろしいと思います。執着好き。
漫画としては見せ方が単調であったり、大事な部分(大樹の中学時代や滝沢の行方不明時)をセリフだけで済ませてしまっているのがもったいない。あと、大樹が滝沢のことで「幼稚すぎる」「反抗」と捉えているあたり、理解が追いつくのにかなり時間がかかったし、それをその一言で括るのはあまりに情がない、と納得はできませんでした。なんかこう、いろいろモヤ感が……。
……と書きながら著者名をググったところ、この作者さん、韓国系の人っぽいですね。韓国系のフィクションって、日本との文化的背景の差で、キャラクターに不気味さとか違和感があって、サスペンス系では良い効果を発揮することがあると思ってるんですが、日本が舞台で日本人の登場人物となるとそこはかとない違和感で脳がバグるんですよ。大樹の転落っぷりの描写も、韓国系と思うと腑に落ちます。
この作品はオメガバースというそもそも外国発祥の設定で話が進むのでギリセーフでバグるまではいきませんでした。
けど、キャラクターのクセや不気味さが、作者が意識していないものの可能性が高いのは残念。意識していないと深掘りもできないので……。
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