このレビューはネタバレを含みます▼
いやぁ面白かった。小中大豆先生は次々と様々な趣向を凝らした作品を発表されててすごいですね。
過去ここまでの変貌を遂げる主人公を見たことはないかもしれないと思う程の、劇的な成長をする王子の物語。
話の筋や流れは確かに寓話的ではあるのですが、BL展開なくても充分面白いとここまで感じた作品は久しぶり。読み物として非常によく出来ていて、最初から最後まですごく楽しんで読めました。
ただ、この一冊で終わってしまったのが何より残念。
これ本当に終わるのかな?と思うほどの壮大な設定が素晴らしかったので、できればシリーズにして3冊くらいで書いて欲しかった!もっと国造りのいろんなエピソードが読みたかったです。まだまだいくらでも膨らませられる話だと思ったので、ちょっともったいなく感じました。決して物足りなかったわけではなく、それほど魅力ある設定とストーリーでした。
王子の成長ぶりと国の未来が気になってどんどん読み進めてしまい、後書きで小中作品では最長だというのを読んでびっくりしたほど。
攻めのオズワルドのキャラも非常に面白く、最後にやって来る超弩級のキュンでBLとしても満足させてくれ、とても読み応えある作品だと思いました。