このレビューはネタバレを含みます▼
シリーズ中でも恋愛に主軸が置かれています。今作は捜査1課から2課へ異動となった山下と検事となった須和の物語、同級生の再会もの。
高校時代は爽やかでくすぐったいような想いを共に抱いていた2人ですが、10年ぶりに再会して現実のギャップに戸惑う気持ちが実にリアルでした。その消化しきれず置き去りにしてきた想いが、山下には後悔となり須和には諦観となって頭をもたげます。ただ、そこには少しの期待も見えてお互いの心を揺り動かしていくのですが‥。
峯神弟が山下に伝えた言葉が良かったです。「天使のささやき」を先に読めば彼の言葉は感慨深くまた痛々しい。なので、天使の〜を先に読むと良いかもしれません。
恋愛が主軸とはいえ事件も起きるし闇もある。ただ今作は山下と須和の中途半端だった関係にどうケリをつけるのか、それを見届ける作品でした。山下の踏ん張りが良かったです。