マッチ売り
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マッチ売り

草間さかえ

素晴らしい

ネタバレ
2022年4月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み始めてすぐこれはBLっていうより文学作品か?って思いました。止まらなくなって残りやぎさん郵便3巻も全部買い、何度も読み返しています。時代背景とか説明は一切なく、登場人物たちの会話と思っていることで話が進みます。最初、花城が復員兵の格好とかしてるので終戦直後かと思ったんですが、空襲があったりするので戦時中ですね。4巻の中でやっぱり最初のマッチ売りが一番好きです。高架下トンネルで出会った花城と広瀬。なんやかんやあって花城の会社に広瀬を連れ込んだ翌朝、「お前がマッチを売ってたら俺が全部買い占めるのに」という花城。その時点でお互いに名前も知らず。出かけるため表に出て別れ、反対方向に少し歩き出してから広瀬が振り返りそこで互いに名を聞き、後で会う約束をする…恋が始まる瞬間。いや二人とも最初からすぐ惚れあっているんですけどね。叙情的で映画にでもできそうな場面です。何巻か忘れましたが、何で俺なのかと自信のない広瀬に「何でかは分からないけどお前だってことは分かる」という花城。好きだの愛してるだのいう言葉は一切出てこないのにお互いを思い合ってることが強烈に伝わってきます。この本、他の方のレビューもすごく良くて本当に買って良かった、草間先生を知れて良かったと思います。
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