もう恋人､もうすぐ恋人たちの3つの短編

ネタバレ

2022年4月22日

このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作は遠距離恋愛の恋人同士のお話｡都会で働く清と田舎に残った寛太は遠恋になって1年経ちます｡毎日あった清からの電話もまちまちになり､都会と田舎との環境や､流れる時間の違いに寛太は不安になります｡都会の目まぐるしい時間に追われて一緒に何かを消費するのではなく､田舎にいた時のように､ただ側にいたいと考えた寛太は､清に黙って夜行バスに乗り清を訪ねるのでした｡『響谷くんと川辺くん』響谷くんの部屋を訪ねた川辺くんは､響谷くんの協力でレポートを仕上げ､アパートの窓から一緒にお花見をする予定らしいです｡『バレンタイン』広江くんは､同じクラスの優しくて良い奴な白砂くんの部屋でバレンタインチョコを見つけてしまいます｡誰にあげるのか訊いても答えてくれない白砂くん､白砂くんの告白が上手くいったらもう一緒にはいられなくなるのかと､広江くんはちょっと寂しくなるのでした｡いずれもエロはありませんが､恋人同士だったり恋人未満だったりの二人が､好きな相手の思いがけない一面を知った時の心情が上手に切り取られている短編ならではの佳作です｡

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MW さん

(女性/－) 総レビュー数：3169件

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